金曜日, 3月 20, 2009

ミュージアムと中古CDショップ

今週の月曜、渋谷「bunkamuraザ・ミュージアム」でのピカソとクレー展を見に行った。
余計なことだが、ここの名前は、「bunkamura」がローマ字、「ザ・ミュージアム」がカタカナである。こういうのは書体と書式とを組み合わせてレイアウトを工夫すれば効果的かも知れないが、普通に文章の中に書き込むと、どうしても読みにくいし変だ。読みやすくするにはカッコでも付けるしかない。

時間帯が月曜日の午前だっとことも大いに関係しているとは思うが、観覧者はおそらく9割以上が女性だった。年齢はそれ程関係ない。年齢に関わらず女性ばかりだった。これは何なんだろうか。女性が特に絵画好きで、しかもピカソとクレーとが特に女性好みであるとはちょっと思えないからである。

そして一昨日、夕方だったが、お茶の水にあるクラシックの中古CD専門店に入ったところ、少なくとも10人は客がいたと思うが、ここは逆に中年以上の男ばかり。これは何なんだろうか。
血眼といえば言い過ぎだが、一心不乱に中古CDを引っ張り出しては戻しゴトゴト音を立てている。クラシックのCDだから殆ど英語であり、CDの背に書かれたタイトルはとても読めたものではないのである。こんな時はつくづくと日本語表記のメリットを思い知らされる。みんないい年だから眼が良い筈はないのである。クラシックでもコンサートの場合はこれほどではないのでは無いだろうか。私はめったにコンサートにはゆかないが、数少ない経験でも、テレビのコンサート中継などをみても、女性客は少なくないのでは無いかと思う。

もっとも、どちらも意外なことではない。昔からそういう傾向はあった。しかし、あまりにも極端だと思った。どちらもおそらく9割5分以上の差があったのでは無いだろうか。いろんな面で、とくに社会的な面で男女差が無くなってきつつある時代であるにも関わらず、あまりにも変わっていない。
ちょっと気になったので、これはどういうことなのかな、昨日、今日と、考えていたが、ひとつ気づいたことがある。ミュージアムもCDショップも、どちらも公共の場であって芸術鑑賞の機会を提供していることは違いないのだが、根本的な違いがひとつある。それはミュージアムの場合はその場所自体が鑑賞の場であるのに対し、CDの場合はそれを持ち帰って自宅で、しかも大抵はおそらく1人で鑑賞するであろうと思われることである。とすると、女性の場合は芸術鑑賞を目的に外出してきたのであるが、中年以上の男性の場合は芸術鑑賞を目的に自宅に帰るのである。
女性は年齢を問わず趣味の追求では外出志向であり、中年以上の男性は趣味の追求では自宅志向、言い換えれば孤独志向であるということは、少なくとも一面では言えるに違いない。このことでもっといろいろと議論ができそうだが、それはさておき、
クラシック音楽のプロではなく、愛好家にはやはり女性よりも男性のほうが多いこともやはり確かである。クラシック音楽の演奏家ではなく作曲家に女性が圧倒的に少ないことも、よく言われることだが、確かに関係があるように思われる。ただ、これはヨーロッパのクラシック音楽に限ってのことであって、音楽一般ということではもちろん無い。しかしある種の音楽では、やはり世界的に音楽は男の役割である。例えば、ひな人形の五人囃子が全員男であることのように。ただ鑑賞者、演奏家や研究者などのプロではなく、普通の鑑賞者に男の方が多いのはやはりクラシック音楽の特徴ではないかと思えるのだが、どうなんだろうか。