日曜日, 10月 31, 2010

PCモニター下の小さな地球儀



デスクトップのパソコンで仕事をしたり、なにやらしたりしていると、常に正面やその横もディスプレーで塞がれています。webを見ていたり、事務的な作業をしている場合はそれでいいのですが、自分の原稿を書いていたり、他人の文章で作業をしていても、こちらで考える必要があったり ― 翻訳などがそうですが ― という場合、常に正面に作業中の文章があるということは必ずしも望ましいことではないと思います。

本でも何でも他人の作品を読むときはその文面に集中しなければなりません。また前後の文脈にも眼を配らなければいけません。

しかし、文章を作るときはアイデアをどこからか見つけてこなければならない。そのときは書きかけの原稿に束縛されていては、よくありません。すでに頭の中に完成された内容があるのであればいいのですが、普通はそういう事はありません。

パソコンを使用しなかったとき、紙に向かってペンを動かしていたとき、原稿は机の上、眼の下の方にありました。ペンを止めたときはいったん眼を上げ原稿から離れるのが普通でしょう。正面に大きなディスプレーがあると、そういうわけには行かなくなってしまいます。このことに気付いてから、何とかこのことを解決する方法はないものかと思っていましたが、書店の地球儀コーナーに置いてあった小さな地球儀の事を思い出しました。それで昨日かの書店に行ってその1つを買い求めてきました。そして早速机の上の置こうと思っていた場所に置いてみました。この場所におさまるかな、とも思っていたのですが、予想よりも小さく、十分にその場所におさまりました。狭く小さな机なもので・・・。

置いてみて思った事は、球体というのは本当に存在感のあるものだな、という事です。その丸さ、丸みは板状や棒状の物ばかりが置いてある机の上では本当に強烈に存在を主張しているように思いました。いまは机の前に座っているときは、地球って本当に丸いなあ、という思いが離れません。

地球儀は子供の頃から欲しかったものの1つでしたが、どういう訳かこんな年になるまで、ついに手に入れることはありませんでした。いつも欲しいと思い続けながらも、いつまで経っても実際に買い求める機会がないようなものって結構あるのではないでしょうか。特別に高価な物ではなくても。

この地球儀は、手頃な価格で小さいながらも美しい色でデザインのバリエーションがかなりあり、どれを買おうかなと迷ったのですが、結局国別に色分けされ、海洋部が薄い水色のものになりました。海洋部が薄い褐色のアンティークタイプが落ち着いて美しく、好きなのですが、やはり海の部分は青系であって欲しかったものですから。これは非常に薄い水色ですが、箱にはホワイトと書いてあります。陳列してあるのを見てもちょっと見ると白に見えました。しかし、セロファンの窓つきの箱に入っているのは薄い水色に見えます。眼を近づけてみると確かに薄い水色に印刷されています。陳列してある物は隣のものや周囲との比較で真っ白に見えたのでしょう。色の選択っていうのは本当にむずかしいものです。小さくて手頃な価格のものだから、地形図タイプの物も加えて、複数あってもいいかもしれませんね。大きな物は高いし、多少大きくても所詮、地球儀では地図を見るという実用には無理でしょうから。場所があればもう少し大きくてもいいと思いますが。

銘柄はSTELLANOVAで、裏にはPrinted in Germany、Assembled in China、と書かれています。ネットで調べて見ると、やっぱり、すぐに日本語ページが沢山出てきました。ドイツの会社で、「世界各国の膨大な需要に対応するため生産工場を中国に移し、」とあります。ご多分にもれず、という感じですね。何故かアメリカではなくドイツの会社であることが嬉しい。「コンピューターを駆使したグラフィック印刷を地球儀に応用し、 球面にフィルムを一体成型するという製法を開発して、鮮明で歪みのない地図をつくりました。」とありますが、これだけではどんな印刷方法なのかはまったく想像できません。しかし、素人には、この印刷技術は素晴らしい技術に思えます。一体どういう技術なのだろうと思います。

地球儀で見ると、個人的には、日本は可成りの大国に見えます。緯度と経度が正確に出ているみたいですから、面積もそれなりに正確なのでしょう。― 日本はそんなに小さい国ではない ― 少なくとも個人的にはそう見えます。