日曜日, 6月 12, 2011

LED電球についての実感

LED電球。何時かはこの言葉もなくなるだろうけれども、日本語として納まりの悪い言葉である。
それはそれとして、白熱電球への代替がかなりの急ピッチで進んでいるとのこと。最も省エネ効果が期待される分野だけに良い傾向かも知れない。私はこれまでに電気スタンド用として2個を購入して使っている。最初からスタンド向きにデザインされたLED発光体を組み込んだスタンドも沢山販売されているが、光量の多いタイプは値段が高くかつ場所を取りそうなデザインなので敬遠し、いずれも白熱灯用のスタンドやスポットライトと口金の小さいタイプのLED電球との組み合わせで使用している。

いずれも白色だが、色調には一応満足している。少なくとも蛍光灯の白色よりは気持ちの良い白色である。蛍光灯の色は最近は昔に比べてずいぶんとよくなったが、それでも独特の陰気な雰囲気からは完全に開放されることがなかった。それは水銀の輝線スペクトルに起因しているのに決まっている。LED電球の白色もいわば合成された白色であるから、自然光のようにはゆかず、「演色性」が悪いといった批判があり、確かに多少はそういう印象もある。しかし、総合的な評価はどうであれ、水銀の輝線がなくなったことのメリットの方が大きいような気がする。

という次第で、個人的には白熱灯よりも蛍光灯の代替が早く進んで欲しいと思っているのだが、色々な理由から、なかなかそうはゆかないようだ。少なくとも節電効果は白熱灯の代替の方が大きいことは確かである。それに従来蛍光灯が使われていた場所の代替は照明器具との兼ね合いもあって難しいのだろう。個人的にも現在の天井灯に使われている蛍光灯の代替にはまだ無理なところがある。

現在販売されている主流は従来の白熱灯の口金に合う電球タイプである。しかし日本の場合、天井灯には家庭でも蛍光灯が使われている場合が多い。事務所や公共の場ではもちろんそうである。また天井灯などの室内のメインの照明として、従来の電球用の照明器具が、LED発光体に相応しいかどうかとう問題もある。要するにまだLED照明によるデザインの基本形が確立していないということだろう。今はまさに照明デザイナーや照明技術者の出番であろうと思う。

先日、小田急デパートで開かれた展示会に行ったときのこと。下からエスカレーターで9階まで上がって行ったので各階の様子が垣間見られたが、宝石売り場の階に上がってきたとき、宝石の陳列ケースに真っ白い光のスポットライトが手前から奥の方まで、ずらっと並んでいるのが見えた。もちろんLEDランプの色であるが今までになかった新しい光景であった。近くによって見なかったが、宝石類がどのように見えたか、気になるところである。


いずれにせよ蛍光灯への代替が進み、1日も早く日本の公共の場から陰鬱な水銀の輝線が消えてゆくことを期待したい。