金曜日, 10月 05, 2012

読書スタイルについてのアンケート結果

パソコンとの個人的な関わりを通じて何度か、パソコンなどの(特に文字による)視覚メディアとの付き合い方や問題点などについてあれこれと考えたことなど、このブログで記事にしてきましたが、それらと関連の深い紙媒体の代表である書物とのかかわりについても考える必要があると思います。あるいは改めて問い直すというか、反省してみる必要もあるように思います。とくに使用環境と姿勢、あるいは視力や照明との関係など、人間工学の問題と言えるかもしれませんが、まだまだ未解決の問題があるように思います。もちろん、文字や印刷書体の問題など、もっと専門的に、あるいは専門領域でいろいろ研究や開発が進められていることはわかっています。ちなみにこの方面では筆者も素人ながら別のブログ(意味の周辺)にて、縦書きと横書きの問題について考察、発言しています(縦書き及び横書きの機能性の差異と鏡像問題 その4 (まとめ))。


以上のような次第で、ちょっとした思い付きで―他に目的もありましたが―、「人力検索はてな」のアンケートを利用し、読書スタイルのアンケートを取ってみました。結果は次のリンクをご覧ください。
「読書スタイル(環境と姿勢)について(業務、研究、学習、娯楽等の目的を問わない)」
http://q.hatena.ne.jp/1349248673

後になってみると設問に不備があったように思いますが、これについてはまた繰り返して何度も実施してゆきたいと思います。とりあえず断片的にでも、現状で思いついた感想をメモしておきます。

◆ 100人の方から回答をいただきましたが、年代は30代と40代で75%でした。50代が6人、60歳超が2人で、人口構成率に比べてかなり少ないと思います。特に視力に関するデータに関しては、50歳以上の方々のデータを集めるには年代を指定して収集し直す必要がありそうです。

◆ 男性対女性の比率は2:1です。これは「はてな」のユーザー比率に対応するのでしょうか。またはインターネットのユーザー、あるいは読書に対する関心度の差であるのか、ちょっとわかりませんが相当な差であるように言えると思います。

◆ 男女差で目についたことの一つは、机の上で読む場合、水平に広げて読む人と、見やすい角度に傾けて読む人の比率が、男性では同数であったのに対して女性では、読みやすい角度に傾ける人がそうしない人の倍であったことが挙げられます。この程度の人数で判断できるかどうかは問題ですが、そういう傾向はありそうな気はします。

◆ 地域差は今回のような小規模の調査ではあまり意味がないように思われました。

◆ 自宅などの自由にできる環境を条件にしたため、「寝転んで読む」と「背もたれにもたれて読む」が圧倒的に多かったのは自然なことかもしれません。しかしその対極ともいえる「床(畳)に座って専用の書見台で読む」という、江戸時代の侍や学者のようなスタイルの方が二人おられたのもちょっと意外でした。しかし、畳に座って読むのなら机よりも書見台の方が場合によっては読みやすいことも多いはずで、こういうスタイルは今後も続いてゆく可能性があるように思われました。椅子を使用して専用の書見台を使う方も一人だけおられましたので、現在、普通の家庭ではあまり見かけない家具である書見台も、需要はあることがわかります。


◆ 複数回答可能に設定したにもかかわらず、最初の読書姿勢に関するアンケートでは、複数回答をした人がいなかったのは意外でした。かなりワンパターンということですね。


◆ 二つ目の、視力と読書に関する質問では、50歳以上の回答者が少なかったため、あまり興味深い情報は得られませんでした。


◆ 三つ目の、道具に関する質問では、もともと質問の意図は、現在入手できるような機能では求められない機能を持つような道具への期待、あるいは現在の機能では満足できないような種類の道具への期待を調査したかったのですが、質問の表現が単純であったため、そのように受け取ってもらえなかった可能性があります。この点はまた改めて調査したいと思いますが、それでも次のような印象を持ちました。

1、いずれのカテゴリーに該当する道具についても一定以上の要望はあるといえますが、少ない順に並べると、机→ルーペ→書見台→椅子→照明器具の順になっています。

2、ルーペを使用することがあると回答されたのは60歳超の方一人だけでしたが、ルーペに該当する道具があればよいという意見が総数は少ないものの、20代から50代までに広がりがあったのは印象的でした。

以上、とりあえずの断片的な印象です。

また引き続きアンケートと考察を続けてゆきたいと思っています。