木曜日, 1月 03, 2013

タブレット機の使用、現在は殆ど休止中。ノートPCの目につく問題点

前回、読書の姿勢に関してネットでアンケートを取ったことで記事を書きました。引き続いてアンケートを取り直したり、考察を続けるつもりのところ、一時的な多忙をきっかけに中断中ですが、いずれ再開したいと思っています。ちなみに、アンケートは、はてなアンケートを使用したのですが、最初、読書スタイルに関するアンケートは有料のポイント付きで行い、すぐに100人の回答が集まりました。しかし次にタブレットの目的についてのアンケートを無料のポイントなしで行ったところ、回答をしてくださったのは一人でした。次回以降おこなうとすれば有料のポイント付きでおこなわざるを得ないようです。


同じ流れでパソコン系メディアに関する体験談というか批評のような一連の記事を書いていますが、今回はその系列のひとつという結果になりました。


タブレットに引き続いてのノートPCの導入
当時、と言っても去年ですが、タブレットを購入した際の複数の目的の中で、最も切実であったのはパソコンで行う仕事の補助でした。具体的に言えば翻訳作業で、それまで1台のデスクトップに2台のディスプレイを接続してマルチディスプレイで使用していたのですが、それでも画面がまだ不足傾向であったことに加え、PC用ディスプレイよりももっと低角度で、本を読むような角度で見られるディスプレイが使いたかったからでもありました。


この点で、10インチのタブレットは十分に目的をかなえてくれたと思います。もっともよい点は画面の精細度―今は解像度と言えば画素数のことになってしまうので、精細度と言えばよいのでしょうか。印刷と同様にDPIで表現できれば良いと思うのですが―が高く、フォントも美しくきれいに出ることです。今の携帯はもっと精細度が高いし、スマートフォンもそうだと思うのですが、一応10インチタブレットの精細度はフォントと相まってパソコンのディスプレイに比べて格段に目に優しいように思われました。


という次第で、PDFの原稿を表示するには快適でした。具体的には正面のPCディスプレイのすぐ下に接触させて低角度でPDF原稿を表示させ、正面のPCディスプレイで入力作業を行うわけですが、できれば位置的には逆の方が良かったのです。入力作業を行うメインの画面が下の方、うつむき加減で入力したかったのです。

そういう次第で、他にもいくらかの理由があり、それから数か月もたたない時点で新たにノートPCを購入することになってしまいました。他の理由というのは、主に、一時的に遠隔地の移動先でメインの仕事をする可能性への備えだったのですが、それ以外に、やはり、タブレットでの入力難しさ、あるいは煩わしさだったと言えそうです。というのはタブレットの購入目的の一つに、自宅内で場所を変えての、入力作業を含むような利用の仕方もあったのですが、入力の煩わしさでそれが満たされなかった次第です。ノートPCでこの点も満たせるという目論見がありました。

要するにノートPCで移動先を含めてあらゆる場合の入力作業を含むメインのPCに据え、従来のデスクトップと必要に応じてタブレットを補助的に使用するというスタイルが一応の理想ではないかという期待があったわけです。ただしノートPCを選択する時点でもう一つ期待することがありました。それは、少なくともタブレットPC程度の精細さ、がその密度を期待したのですが、スペックを見た時点で、標準的な通常のノートPCの大きさでは無理であることが分かり、それは諦めざるを得ませんでした。

とにもかくにもそのような次第で16.5インチのノートPCを購入し、上述のような使い方で現在に至っています。基本的に、ノートPCを入力作業の中心に据えてデスクトップPCを補助的に使用する方法は、私の場合は正解であったように思います。ただしこの初めて使うノートへの不満も大きく、この件はこの記事の後の方で検討したいと思います。

以上のような経緯からそれ以後、仕事上でデスクトップの補助としてタブレットを使用することは事実上なくなりました。ただし机上にもう少し余裕があればさらにタブレットも併用できないわけでもありません。しかし、辞書として使うには問題がありました。パソコン用の辞書は使用できないし、使用できたとしても、検索するための文字入力がしづらそうです。実は初めての電子書籍としてタブレット用の医学事典を購入したのですが、どうもタブレットに適した設計になっていなかったようです。相性の良い機種とそうでない機種があるのかもしれませんが、購入した機種では非常に検索がしづらいものでした。スライダーでは大まかにしかページの移動ができないので1ページづつ移動しようとしても1ページに1項目しか表示されず、1項目ずつページを移動するのは大変時間がかかります。10インチの広いスペースにわずか数行の1項目しか表示されないというのは設計上の大きな欠陥またはミスではないかと思います。



という次第で、現在タブレットは休眠中です。というのも、もう一つの目的であった電子書籍としても今のところ殆ど用無しという状況であるからです。その理由を改めて考えて見ましたが、理由を分析し始めるとそれだけで結構な時間がかかってしまいそうなので、またの機会があれば分析してみたいと思います。ただ、無料の電子書籍、青空文庫や、グーグルからダウンロードできる本が必要な場合は無条件でタブレットを使いたいし、何冊かダウンロードしましたが、この種の本はなかなか落ち着いて読む機会に恵まれないものです。他方、近所や歩いて行ける範囲内に中型や大型書店があり、書店に行く楽しみは結構大きく、書店で買いたい本が見つかればどうしてもそこで購入したいのは人情というもので、最近はアマゾンなどのネット販売もなるべく利用せずに済ませています。とは言ってもまったく電子書籍を購入する気が無くなったわけでもなく、今のところ機会に恵まれないということですが、それでもやはり、タブレットを購入する以前に想定していたよりも電子書籍に対する期待感は薄れているといった状況でしょうか。


ノートPCへの不満点
さて、先ほど述べたとおり、現在、入力作業を行うメインのパソコンは仕事と仕事以外を問わず、ノートパソコンになってしまいましたが、それだけにノートパソコンへの不満も結構大きなものがあります。まあ高級機ではないので高級機では解決できる点もあるかもしれませんが、とにかく感じている不満を列挙してみたいと思います。

1.現在のタブレットと同等以上の精細さが欲しい。これは絵よりも文字表示の上で言えることです。

2.OSはWindows 7 ですが、フォントの表示がWindows XPのデスクトップに比べてむしろ見にくくなっている。

フォントはソフトとによっては選択の自由があり、ある程度きれいに表示設定できる場合もあるが、自由にならないソフトの方が多く、特にユーザーインターフェースの文字は自由にならない。ワードの場合、MS 明朝でもMS ゴシックでも、かなりの大きさにしても殆どドット一つ幅の繊維のような細い細い文字で本当に眼が疲れる。

3.キーボードの左右中心と画面の左右中心の位置がかなりずれる。


という次第で、せっかく画面の角度や位置が見やすくなったものの、文字表示の見やすさ、美しさという点で、現在のデスクトップよりもむしろ劣る場合があり、これにはソフトの問題もあろうと思いますが、やはりノートPCの画面精細度がまだ不十分であるためのように思います。またキーボードの左右の中心が画面とずれるのもかなり大きな欠点であるように思われます。この点では、基本的に画面とキーボードは切り離せられるのが良いので、この点では結局のところデスクトップと一部のタブレットでは早くから実現しているわけで、ノートPCにはないデスクトップとタブレットの共通のメリットとも言えそうです。


こうしてみると、ただ全体の大きさと持ち運び性という点とタッチ操作によって差別化されがちなデスクトップ、ノートPC、タブレット、スマートフォン等のモバイル端末には、実に様々な点で長所と短所が複雑に交錯しているような気がしてきます。そういう中で、タブレット機の持つ長所がデスクトップやノートに還元されても良いのではと思われるのですが、現在、Windows 8 ですか、ノートPCやデスクトップにタッチ操作を取り入れるということがそれにあたると言えるのかもしれません。しかし、個人的には、それよりも画面の精細さとフォントの美しさ、読みやすさ、という点で優れているタブレットの長所をこそノートPCやデスクトップに還元して欲しいと思うものです。

開発の順序からいえばデスクトップパソコンからノートパソコンへ、さらにタブレットとスマートフォンという順序で技術点に発展してきた、というより、技術の発展によってこのデスクトップからノート、タブレット、スマートフォンへの進化が可能になったということなのでしょうが、それに伴ってデスクトップとノートPC自体の進化が取り残されているような気もします。

パソコンの時代が終わってタブレットの時代に入ったというような専門家の意見をよく聞きますが、一面、デスクトップやノートPCの改善に注ぐべき努力をもタブレットやスマートフォンの方に振り向けてしまっているのでは、と思わないでもない次第です。


個人的に、特にPCに詳しいわけでも、もちろん専門家でもないわけですが、かなり切実なユーザーの立場で、引き続き、考察を続けてゆきたいと思っています。