月曜日, 1月 01, 2007

NHK、番組作りの変化

最近、NHKの番組作りで変化したと思える傾向がある。色んな面で変化しているのかも知れないが、少なくとも私の気になる、感じのよくない変化の傾向が一つある。さしあたりそれは次の三つの番組で気づかれる傾向である。その三つの番組は「その時歴史は動いた」、「美のつぼ」、そして「N響アワー」である。

「その時歴史は動いた」は、もう何年も前から同じ調子で続いているので、この中では最も早くその変化が現れた番組といえるかもしれない。その前身ともいえる一連の歴史番組に比べて変わった点といえるのは、以前の番組ではゲストの歴史家や作家が自身の言葉で話す時間が多く、アナウンサーは殆ど聞き手に終始していたのに対し、「その時歴史は動いた」ではゲストの出番が少なく,殆どがアナウンサーの独壇場とでもいえる構成になっていることである。

この番組作りは最近始まった番組である「美のつぼ」にも共通しているように思える。この番組では専門家は全く姿も名前も現さず、姿は表さないが多少押し付けがましく聞こえる声のアナウンサーが出演者の谷啓氏に「美のつぼ」を教えるという構成になっている。そのアナウンサーのセリフと話し方にはどうも抵抗を感じさせるものがある。内容自体は面白いのであるけれども、こういう構成のために、少なくとも私にとって、楽しみは半減している。

「N響アワー」は何十年も続いている長い番組だが、今年度からは池辺晋一郎氏が出演していることは前年度と変わらないものの、前回まで登場していなかったNHKのアナウンサが登場し、番組を進行させるようになった。前回までは作曲家の池辺晋一郎氏が毎年入れ替わるアシスタントの女優さんなどを相手に、少なくとも見かけ上は自由に音楽について語るような構成になっていたのだけれども、今回もそういう部分は多少残されているのであるけれども、アナウンサーが進行の主導権をもつような形になり、やはり面白さが半減してしまった。

一方、好ましい方向に変わったと思える番組もある。脳科学者とアナウンサーではないと思える女性の二人が司会をする「仕事の流儀」という番組は、以前の「プロジェクトX」を引き継ぐような面があると思えるのだが、もしそうだとすれば良い方向に変わったように思われる。「プロジェクトX」は始まった頃は何度か見たが、数回でいやになり、内容には興味があるような場合でも見ないようにしていた。技術に関わる番組なのだからもっと技術に焦点をあてれば良かったと思っている。「地上の星」という、中嶋みゆきのテーマソングは人気があったが、どうも歌い方が荒っぽく、曲自体も良くは出来ていたと思えるが、真実味がない。これに対して「仕事の流儀」では司会者とのかなり本音での対話が中心となっているので、司会者と同感するかどうかは別として、興味を持てる内容になっており、十分に楽しめる番組になっている。

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